おおよそ一週間前に発売されたこのアルバム。かなり雑誌でも取り上げられてたし、邦ロック好きの皆さんなら、アルバム名かジャケットぐらいはご存知なのでは。

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そう、UNISON SQUARE GAREDENの6枚目のフルアルバム、「Dr.Izzy」である。

このブログの記念すべき第1回目となる横から目線のディスクレビューはこのアルバムです。

 

①ユニゾン「肩の力を抜いて作れたアルバム」

あんまり売り上げの話をしすぎるのはロックじゃないけど、あまりにもリスナーとして嬉しいので触れておこう。聴く話にはこのアルバム、発売週に並みいる強豪アーティストを抑えて、オリコンデイリーで2位を獲得、週間でも3位を獲得してる。初動は過去最高で、前作の10周年記念アルバム「DUGOUT ACCIDENT」の「累計」を1週間で上回ってしまったのだ。

 

笑っちゃうのが、ユニゾンはここまでヒットしたアルバムに「肩の力を抜いて作れた」「出来ないことはやらない、というスタンスで作った」って言ってるんだよ。まあ、「肩の力を抜いてる」と言えども、ユニゾンほどのスーパーバンドの「肩の力を抜く」なんて俺が肩の力を抜いた時とは比べモンにならない「ハイレベルなリラックス」だってのは分かるさ。それにしても、こんなロックアルバム、俺なんかガッチガチに肩肘張っても作れないよ。

 

それにしても前々から思っていたが、ユニゾンは涼しい顔でこんなセリフを言い放つからズルイ。

クラスの頭いい奴にこういうタイプ多い。良い結果を出しても「いや、たいして努力してないよ~?」みたいなな。でも、決して俺のような人種を馬鹿にしてるわけじゃなくて、本人は本気でそう思ってるんだよね。賢い人は努力の密度が違うのだろう。俺が満足している努力量など努力にも満たない。だからこそ成功するんだろうな。すごいや…オレモ、ガンバロゥ…ァァァ

 


UNISON SQUARE GARDEN「シュガーソングとビターステップ」ショートVer.

 

アルバムの3曲目。言わずもがな、大ヒットシングル曲。アルバムの売り上げにも貢献したであろう。この前のMステのパフォーマンス最高でした。

 

②超ユニゾン節で駆け抜ける46分。キレキレスクエアガーデン。ぱねえ。

 このアルバム、めちゃくちゃ聴きやすい。僕はアルバムを通しで聴くのって結構エネルギーを要するんだけど、このアルバムはほんと気軽に最初から通しで聴けてる。

「よくある聴きやすいアルバムなんでしょ?」と思うがなかれ。

このアルバム、聴きやすいのにキレッキレなんだよ。音も歌詞も。

 

まずびっくりしたのが、一曲目「エアリアルエイリアン」。いきなり変拍子である。楽器やってるのに不甲斐ないけど、何拍子かわからんよ。

ポストロックバンドならまだしも、ユニゾンのようなポップのど真ん中でロックを鳴らしてるバンドが一曲目から変拍子。めちゃくちゃ攻めてくる。

サビの「Alien now!」が「アリアーナ!」にしか聴こえねえし。グランデ姉ちゃん振り向いちゃうよ。

 

 

「パンデミックサドンデス」もキレッキレである。特に歌詞。


UNISON SQUARE GARDEN「パンデミックサドンデス」ショートVer.

 

”ああ全部全部意味わかんない君のその哲学がわからない”

”容赦ない、邪魔くさい、おめでたい、蹴りたい、殴りたい・・・”

”もう際も限もなく疲れた 全部蹴落としてしまいたい”

個人的に、田淵さん、キレッキレやなー…と思った歌詞を抜き出してみた。

(もちろん、怒り一辺倒というわけではなく、怒りへのアンサーも提示されてるのだが、そこは是非フルの曲とともにチェックして頂きたい。)

 

誰もが「え、、田淵さん、怒ってる??」と思ったであろうこのタイミングで、最後の曲「Cheap Cheap Endroll」のサビも見てみよう。

 

”君が嫌いになっていく もっと嫌いになっていく”

 

…いやぁこれは、完全キレてるなぁ、田淵さん…。よく考えたら田淵さん、ブログでも冷静な文の中に怒りがにじみ出てるし…。こんな俺みたいなのが好き勝手言ってる稚拙なブログ読んだらさらにキレそうだよな…。

 

否、歌詞を書いている田淵さんが何にキレているかは推論の域を出ない。俺達偉そうなファンに対してかもしれない。めちゃくちゃ嫌いな奴が居るのかもしれない。そもそも怒っていないのかもしれない。(田淵さんなら余裕であり得る。)

 

とにかく言えるのは、「怒り」をアルバムのなかの歌詞の随所に、そしてサウンドに収めているということだ。

(あまり深く触れられなかったけど、斉藤さんのボーカルも楽器隊もめちゃくちゃキレッキレだよ)

 

意外と、最近怒ってるアーティストって少ない様に思う。だからこそ、新鮮に感じるし、痛快に心をぶち上げられる。

 

 

…言わずもがな全曲名曲なので全てを紹介したい所だが、今回は「キレッキレだなユニゾン…!」な曲を紹介した。

 

優しい曲ももちろん収録されている。怒っているとビビらないで是非他の曲も聴いてほしい。

アトラクションが始まっちゃう曲だってあるんだから。


UNISON SQUARE GARDEN「アトラクションがはじまる(they call it "NO.6")」ショートVer.

 

 

③ここまで評価されてもポリシーを曲げないユニゾン先輩。マジでクールだぜ。

最近更に言ってるがなんだが知らないうちにロックバンドの概念も、ライブのセオリーや風潮もすっかり変わってしまっていて、もう時代と仲良くすることはできないのだろうなと思いつつ
僕の知ってるロックバンドはふらっと来てボケッと観るだけで君を自由にしてくれるので、そこから先は一人で好きにするといい。
君だけが知ってる君を見つければいいのだ。
一人でやるんだぞ。
ロックバンドはいいぞ。(公式ブログ 小生田淵がよく喋る2016年7月 2016.07.05 より

さて、長くなってしまったが、この田淵さんの言葉とともにこのレビューを締めくくりたい。

 

ユニゾンは、売れた。アリーナのキャパシティだって埋められるだろう。メンバーが振り付けのように手拍子を煽れば、ファンも全力でそれに応えるだろう。

 

ただ、ユニゾンはそれらを好まない。『ライブを楽しめる空間は1000‐2000ぐらいのライブハウス・ホールがベスト。』『ライブはこちらから煽るのではなく、自由に楽しむのがベスト。』これは、ユニゾンがブログやインタビュー、MCで常々掲げているポリシーである。

 

このポリシーは売れても一切揺らいでいないとこの言葉からも分かって頂けるだろう。マジかっけえよ。曲げない信念。この人たちめちゃくちゃロックだ。

 

そんなユニゾンは、この最高のアルバムを引っ提げ、全国40ヶ所、44本のとてつもなく長い長いライブの旅に出かける。これだけ本数が増えたのは、大きい会場でライブをしない分、本数を増やすことで多くの人に「近く」でライブを見てもらおうというバンドの心意義もあるだろう。

 

今最もキレッキレの、「クラスの頭いいやつ」のライブツアー。

幸運なことに僕もチケットが取れたので、目撃してきます。

たのしみだー。

 


UNISON SQUARE GARDEN「mix juiceのいうとおり」ショートVer.

 

この曲がアルバムで一番好きかも。おっさんになってもふと思い出して聴いてそうな、そんな曲。こんな曲書きたいな―。

 

ではでは。